さぎ山記念公園(さいたま市緑区)

最終更新日 2016.5.15 撮影日 2016.5.7

野田のさぎ山とは?

さぎ山記念公園 入口
公園入り口。奥には駐車場ですが、ご覧の通りで、それほど多くのクルマを駐車することができません。

「さぎ山記念公園」は、見沼田んぼ周辺に点在する公園のひとつです。250年の歴史を持つ、サギの集団営巣地だった「野田のさぎ山」を記念して作られました。

総敷地面積は約4.3ha。それほど広い公園ではありませんが、「野田のさぎ山」の往時を偲んで自然と人間の共生を考えるという意味では、非常に意義の深い公園といえそうです。

サギがこの地に巣を作るようになったのは、徳川吉宗が江戸幕府の将軍だった時代−享保年間(1716年〜1735年)−といわれています。

明治・大正の時代は禁猟区として保護され、1938年(昭和13年)には天然記念物に指定されました。そして、1952年(昭和27年)、「野田のサギおよびその繁殖地」として営巣地の約1.4haまで含めて特別天然記念物に指定されました。

さぎ山記念公園 サギのモニュメント
サギのモニュメント。確かにサギの形をしています。この塔の下は、階段状の滝になっていて水遊びができます。

最盛期だった1957年(昭和32年)には営巣数約6000個、親サギ約10,000羽、ヒナを合わせると約30,000羽ものサギが棲息していたと言われています。遠くから見ると林が真っ白に見えたほどだったとか。営巣していたサギは5種で、チュウダイサキ、チュウサギ、コサギ、アマサギ、ゴイサギです。

ところが、1965年(昭和40年)頃からその数が激減し、ついに1972年(昭和47年)営巣しなくなり、250年間にわたる歴史に幕を下ろしました。

1984年(昭和59年)には、国の特別天然記念物の指定も解除となりました。原因は、農薬害によるエサの減少、住宅の増加に伴っての竹林の減少、交通量の増加による周辺環境の変化、などが上げられるそうです。

「さぎ山記念公園」は「野田のさぎ山」を記念して、昭和61年5月に開園しました。釣り師で一杯の池には、サギのモニュメントが作られています。ちなみに、お隣の「見沼自然公園」の池は釣りが禁止です。

遊び場いろいろ

さぎ山記念公園 サギのモニュメントは実は日時計
サギのモニュメントかと思ったら、日時計でした。右奥に見える白い建物が「さぎ山記念館」。

駐車場から入り口を入るとサギのモニュメントが出迎えてくれます。実は、これは日時計なのですが、なかなか気がつきませんよね。

ここの駐車場は狭いので、天気の良い日はすぐに一杯になってしまいます。そんな時は、お隣の「見沼自然公園」の駐車場へ行きましょう。お隣も狭いのですが、こちらよりはずっと広いので。

広い芝生広場は手入れが行き届いていて、とても気持ちが良いですね。ほんのちょっとだけですが、こんもりと盛り上がっています。

入り口から池に向かって左手、樹木が鬱蒼と茂る高台には、就園前くらいの小さい子向けのアスレチック風遊具があります。以前は、木製のアスレチックがあったのですが、金属製のカラフルな遊具になりました。「ロープスライダー」は小学校でも中学年くらいまででしょうか。

「さぎ山記念公園」には、ほかに「野外活動センター(キャンプ場)」、上に書いた釣りOKの修景池、藤棚、などがあります。

さぎ山記念公園 園内地図

さぎ山記念公園 案内図

キャンプ場と記念館

さぎ山記念公園 キャンプ場入口
キャンプ場入り口。正式には「青少年野外活動センタ−」。仰々しいのは行政の常なので。

「さぎ山記念公園」の奥にある、「青少年野外活動センター」と呼ばれるキャンプ場は、トイレ、炊事場、かまど、薪などが完備された、鬱蒼とした木立に囲まれたキャンプ場です。

キャンプ場といっても、バンガローもログハウスもありまんせんので、自前のテントで宿泊することになります。ディキャンプでバーベキューという利用方法が中心のようですね。

キャンプ場の利用は、4/1〜11/30まで。

利用時間は9:00〜16:30まで(宿泊の場合は16:00までに入場。退去は17:00までに)。

前月の10日9:00より、翌月分の予約を、さぎ山記念館内で受け付けています。10日が土・日・祝日の場合は翌日の平日。電話予約は不可です。かなり大変な予約システムですね。残念ながら、さいたま市在住か、在勤か、通学している方でないと、借りることができません。

さぎ山記念公園 サギの剥製
「さぎ山記念館」に展示してあるサギの剥製。5種のうちのひとつで「アマサギ」です。キレイな色ですね。

駐車場の正面には、「野田のさぎ山」を偲ぶ小ぶりの展示施設「さぎ山記念館」があります。記念館の展示物は、鷺の剥製と写真パネルとちょっとした文書のみですが、昔からの鷺の様子を知ることができます。

しかし、250年もの歴史があるのに、たったこれだけとは寂しい。

以前は「さぎ山記念館」の2階に登ることができたのですが、2009年ころから上がれなくなっています。

2階には周囲がガラス張りでテーブル席が4〜5程度並べられた小さな売店があって、カップヌードル(250円)やカレー程度なら食べられたのですが……。売店から外の屋上に出られて、ちょっと広めの展望スペースがあったのに残念です。1階の売店も閉まっていたので、正直屋さん撤退しちゃったのですね。

アクセスその他

駐車場
42台 ※利用料無料(9:00〜17:00)※17:00で閉門
青少年野外活動センター(キャンプ場・バーベキューエリア)
利用期間:4月〜11月)※要予約
申請:利用希望日1月前の毎月10日(土・日・休日の場合は翌平日)9:00より申請受付(市内在住・在勤に限る)飲酒禁止
さぎ山記念館
9:00〜17:00
アクセス
JR大宮駅東口から国際興業バス 「浦和美園駅西口行き」「浦和学院高校行き」「浦和東高校行き」乗車 さぎ山記念公園停留所下車 徒歩3分
JR東川口駅北口から国際興業バス 「さいたま東営業所行き」乗車 さぎ山記念公園停留所下車 徒歩3分
JR東浦和駅から国際興業バス 「さいたま東営業所行き」乗車 さぎ山記念公園停留所下車 徒歩3分
JR浦和駅東口から国際興業バスで 「さいたま東営業所行き」乗車 さぎ山記念公園停留所下車 徒歩3分
埼玉高速鉄道浦和美園駅西口から国際興業バス 「大宮駅東口行き」「さいたま東営業所行き」乗車 さぎ山記念公園停留所下車 徒歩3分
東武野田線七里駅からコミュニティバス乗車 さぎ山記念公園停留所下車(平日のみ)

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