水城公園(行田市) VERT CAFE(ヴェール カフェ)
湖畔に佇む瀟洒なカフェ
こんな看板が立っています。 |
水城公園の湖畔に佇む緑色の瀟洒な洋館。
それが「VERT CAFE( ヴェール カフェ)」です。
まずはいろんな角度から、その素敵な外観を見ていただきましょう
真っ正面。 |
建物の手前にはベンチがあります。 |
建物の横手に走る道路。 その左に池があります。 |
池越しにカフェ。 |
湖畔というのは少々誇張が過ぎたかもしれません。
水城公園の東側と西側の境界に走っている「道路沿い」が正解だったでしょうか(笑)。 でも、周辺の佇まいに溶け込んでとても素敵だと思いませんか??
カフェの緑色の建物が建っているのは、道路を挟んで公園の東側園地です。
湖畔に建つ洋館は元々何だったの?
この建物にはどういう謂われがあるのでしょうか。建物前の看板に詳しく書いてあるので、撮影したものを貼り付けておきます。
しかしダメですねぇ。ハレーション起こしちゃってて読めない部分が数行あるので、文字起こししたものを掲載しておきます。
ご興味のある方はお読みください。
この段の最後に要約も掲載しておきます。
旧忍町信用組合店舗 ヴェールカフェ 案内版 |
看板に書いてある文章
この建物は、大正11年(1922)8月6日に現在の行田市行田13-31の地に開店した忍町信用組合の元店舗です。腰羽目板付下見板コロニアル様式の木造二階建ての洋館で、腰折屋根にスレートを菱葺しています。
忍町信用組合は、大正4年(1915)に時田啓左衛門ら足袋商店の雄志が組織した共楽会を母体とする金融機関で、開店後は専務理事の村上義之助(後の埼玉縣信用金庫会長、行田市名誉市民)が中心となって店舗経営を担いました。
この店舗には、原料卸売商が足袋商店から受け取った手形や、足袋商店が全国各地の卸売業者や小売業者から受け取った手形などが多く持ち込まれ、組合で手形の割引が行われました。こうした足袋関連の企業間の信用決済業務を多く行うことで、組合は行田の足袋産業を金融面から支える重要な役割を果たしました。
昭和22年(1947)に忍町信用組合は、県内の他の8信用組合と統合して埼玉県信用組合(後の埼玉縣信用金庫)となり、この店舗は忍町支店(後に行田支店)となりました。しかしながら、昭和32年(1957)に行田支店は新店舗に移転し、翌年この建物は有限会社朝日亭に売却されました。
その後建物は賃借不動産となり、飯島経理事務所店舗、北埼信用組合(後に武蔵野銀行と合併)店舗、新町自治会集会所(新町会館)と用途を変えながら、平成27年(2015)まで使用され続けました。約90年の間に建物は増改築が繰り返され、当初の姿から変化していましたが、この建物が名誉市民村上義之助に関連する行田の金融と足袋産業の歴史を伝える貴重な歴史的建造物で、市内では数少ない下見板コロニアル様式の木造洋風建築でもあることから、平成28年(2016)に市指定文化財に指定されました。
翌年1月、この建物は有限会社朝日亭から行田市に寄贈されました。市ではこの建物を現在の水城公園東側園地に移築して、新築当初の美しい姿に改修・復原して保存するとともに、建物の愛称を公募で「Vert Cafe(ヴェールカフェ/Vertはフランス語で緑)」に決定、子育て世代の方々が活躍できるカフェとして平成30年(2018)9月22日より公開・再活用を始めました。
簡単に要約すると、この建物は1922年に完成した元信用金庫の店舗でした。
どこにどんな感じで建っていたのか、については個人のブロガーさんの記事【ときいもちゃんのつぶやき Vol.2】「旧忍町信用組合店舗(元新町会館/自治会集会所)の移築・保存修理工事がいよいよ本格化します」に詳しく書かれています。移築前の写真もたくさん貼られています。
ときいも様、リンク張らせていただきました。この場を借りて御礼申し上げます。
2021年2月現在GoogleMapで見ると更地になっています。当たり前ですけど。
幾多の変遷はあったものの2015年まで現役で使用されていたそうです。2016年、行田の発展に寄与し歴史を伝える貴重な歴史的建造物であることから市指定文化財に指定されました。
そして2017年、元の所有者から市に寄贈されました。
その後、行田市によって現在の水城公園東側に移築され、新築当初の姿に改修・復原して「Vert Cafe(ヴェール カフェ)」と名付けて2018年9月22日にオープンさせたのだそうです。
信金時代の面影が残る1階
ヴェールカフェ 1階 入口。 信金の面影残るカウンター。 |
上の写真のように、建物に入ると目の前が木製のカウンターと磨りガラスで覆われた高さ2mくらいの銀行カウンターのような内装で遮られて、視界が開けなくなります。
銀行っぽいですよね。このあたりに信金時代の面影が残っているかもしれません。
カウンター角の窓口の出入り口側が受付っぽくて、角を曲がったところが精算窓口のようです。レジスターがあります。
レジスターのある角を曲がる見えてくるエレベーターで2階へ案内されます。
その前に、当店は土足厳禁なので手前で履き物を脱いで棚にしまってください。スリッパはありませんが。気になる方は持参しても良いかも知れません。
そうそう、知り合いから教えてもらったのですが、カフェの店員さんたちは足袋を履いているそうです。行田ならではですね。
だから、スリッパがないのかな、などと思ってしまいました。
ヴェールカフェ 1階。 奥に靴脱ぎ。 |
ヴェールカフェ 1階 靴脱ぎ。 |
1階のエレベーター入口の左手にあるのが、1階の客席と厨房と託児施設です。お子さんが何人も遊んでいてシッターさん風の方までいらっしゃいました。スタッフのお子さんでしょうか。
1階客席の奥に階段がありますが、客は使用不可だそうです。危険だからだとか。階段はスタッフ専用です。スタッフさんが料理を運んできたりします。
2階へ向かうお客さんは、例外なくエレベーターを使ってください。スタッフが案内してくれるのでついて行きましょう。
ヴェールカフェ 1階 客席。 |
ヴェールカフェ 1階 階段。 客は使用不可です。 |
ヴェールカフェ 1階 託児室?チャイルドルーム?、厨房、 そして右に写っている幽霊みたいな手の先 にあるのがエレベーターです。 |
ヴェールカフェ 1階。 |
エレベーターで2階へ
ヴェールカフェ 2階 右に開いているのがエレベーター。 |
ヴェールカフェ 2階 フロア。 |
2階がメインの客席として使用されているようです。
エレベーターを降りると、右手方面に空間が広がっていました。かなり広いのに席が少ない印象です。テーブルがゆったりと並んでいるのですね。
窓越しには公園の景色が見えて更に気分が開放的になります。ぼくが伺った日は最高に天気が良かったのでそう思っただけ、ではなさそうです。
一番奥のテーブルに腰を下ろしました。下の写真に掲載したとおり、席はすべてカップルシートになっています。窓側に椅子が設置されておらず横に二人並ぶかっこう。もちろん、窓から眺める景色を楽しんでもらいたいからですよね。
いえ、失礼しました。コロナ対策のために苦肉の策ですよね。飲食店様のご苦労が偲ばれます。
そこまで考えて、ふと思ったのですが、陽の当たる窓からは池がよく見えないのはなぜだろう? でも、こうして編集していてわかりました。建物のメインの向きを陽当たりの良い南南西に設置したかったのですね。
こうして、湖畔に建つ緑色の瀟洒な洋館にまぶしい光が燦々と降り注ぐ素敵なカフェができあがりました。
ぼくは匂いにとても敏感なのですが、当店で感じたのは薄っすらと漂うペンキの匂いでした。古い建物から漂う汗の染みついたようなカビのような匂いは一切感じませんでした。
ヴェールカフェ 2階 中央の四角は授乳室とトイレです。 |
ヴェールカフェ 2階 客席フロア。 |
ヴェールカフェ 2階 窓と眺望。 |
ヴェールカフェ 2階。 授乳室、オムツ替台と右奥にトイレ。 |
この日いただいた料理
ゼリーフライ ピタサンド。 |
この日いただいたのは、ゼリーフライ ピタサンド780円×2、ランチドリンクセット200円×2(アイスコーヒーを2個)、れんこんナゲット390円、青大豆ゼリーフライ120円、忍町ブレンドコーヒー500円、チョコサンデー、350円、国産ゆず果汁のレアチーズケーキ(冬季限定デザートメニュー)300円で、税込3982円でした。
どれもとても美味しかったので、「古代米カレー」が仕込み中とのことでいただけなかったのが残念でした。
特に美味しく感じたのは「ゼリーフライ」です。当店のは、普通の大豆より脂肪分が少なく甘みがあってとても美味しい青大豆のおからですから当然なのですが、衝撃的なくらい美味しかった。形も品が良くてすばらしいゼリーフライでした。
10年近く前、行田と熊谷・吹上あたりのフライとゼリーフライを食べ歩いたことがあるのですが、ここまで美味しいゼリーフライは数店舗しか記憶にありません。
当店に伺ったら絶対にいただくべき料理でしょう。このゼリーフライを作られているのは、市内の精肉店 「鳥正」さんだそうです。
ピタパンは行田市内のイタリア料理店「パッツォ・ディ・ピッツァ・ギョウダ」さんが考案されたそうです。
ピタサンドの美味しさも半分はゼリーフライの力でしょう。で、残りの半分は、個人的にはお皿に載っかっている「特製チリマヨソース」ではないかと思われます。
下に掲載した「ゼリーフライピタパンの美味しい食べ方」にもありますが、「特製チリマヨソース」はクセになる美味しさでした。
そのほか、レンコンナゲット(しゃきしゃき感が残る程度にカットしたレンコンを鶏肉で包んで揚げた)もレアチーズケーキも忍町ブレンド(ブラジルとマンデリン中心のブレンド?? 深煎り)も美味しかった。
当サイトでは「公園にある飲食店はダメ」といつも書いていますが、ここ数年で素敵な飲食店が増えてきました。とても良い傾向だと思います。
そんな灯を消さないためにも、行田に行かれた方は是非お寄りください。
建物が素敵で料理も美味しいです。オススメです。
たったひとつ残念だったのが、アルコールがないこと。カフェの趣旨からしてわかるのですが、飲めると良かった。
ゼリーフライ ピタパンの食べ方。 |
ゼリーフライ ピタサンド。 左奥が特製チリマヨソース 中央が和風ドレッシング 手前が豆腐(オリーブオイル) |
ピタサンドを食べるときは、階段脇にあるこの場所から 紙を持っていきましょう。ハンバーガーを包むようなヤツです。 |
ピタパン(サンド)を開いたところ。 |
ゼリーフライ。 ここのは本当に小判みたい。 |
ゼリーフライ断面。 ものすごく美味いです。 |
レンコンナゲット。 |
チョコサンデー。 |
ゆずチーズケーキ。 |
忍町ブレンドコーヒー。 |
アイスコーヒー。 |
メニュー
フードメニュー。 右がサイドメニュー。 |
飲み物とデザートのメニュー。 |
忍町コーヒーのコーヒーゼリー。 |
水城公園のアオサギ
水城公園の池に生息する アオサギ。 |
VERT CAFE(ヴェール カフェ)営業案内
- VERT CAFE(ヴェール カフェ)旧忍町信用組合店舗
- 住所
- 〒361-0053 行田市水城公園2305
- 電話番号
- 048-556-4330(カフェ直通)(予約可)
- アクセス
- クルマ:水城公園南側駐車場(忍・行田公民館駐車場)から徒歩約3分
- バス:市内循環バス「水城公園」停留所前下車 徒歩約2分
- 電車:秩父鉄道「行田市駅」南口から約1.2km 徒歩約18分
- バス:市内循環バス「水城公園」停留所前下車 徒歩約2分
- 駐車場
- 無し(忍・行田公民館、バスターミナル駐車場、行田市役所などの無料駐車場利用可)
- テーブル数
- 28席(1階:カウンター6席テーブル6席、2階:テーブル16席)2階席へはエレベーターを利用
- お子さん連れ1階、それ以外2階、と棲み分けをしている印象
- 個室
- 無し
- 貸し切り
- 可
- 禁煙・喫煙
- 全面禁煙
- 営業時間
- 11:00〜16:00
- 食事のラストオーダー 14:30
- デザート ドリンクのラストオーダー 15:30
- 食事のラストオーダー 14:30
- 休業日
- 毎週 木曜・祝日