多々良沼公園(群馬県館林市・邑楽町)
- 公園の紹介(県立&邑楽町)
- 邑楽町多々良沼公園(邑楽町)
- 遊具広場(県立)
- 自然ふれあいエリア(県立)
- 満開の藤の花(邑楽町)
- 浮島弁財天(邑楽町)
目次
オフィシャルから借りた案内図を参考に「多々沼公園」をエリアごとに分けてみました。
長い記事なので目次をつけます。
- 総敷地面積約98haの大公園
- リード文。多々良沼公園の全体感を伝えています。
- 多々良沼公園 全体案内図 ウォーキングマップ
- 案内図には駐車場の場所、各エリアのつながり等が。ウォーキングマップはどこで何kmかまで入っています。
- 邑楽町多々良沼公園
- 古くからある邑楽町の多々良沼公園。浮島弁財天と鶉古城(うずらこじょう)がある。藤棚がすばらしい。
- いこいと花のエリア
- 群馬県立多々良沼公園として二番最初にできたエリア。小さいながらも遊具がある。2010年完成。
- 自然ふれあいエリア
- 多々良沼公園で最も多彩で大きな公園エリアで、管理事務所がある。最も古く2008年完成。
- 彫刻の小径エリア
- 「自然ふれあいエリア」から道路を挟んだ反対側の保安林。彫刻がズラリと並んでいる。美術館の管轄?
- 野鳥と湿原のエリア
- 多々良沼の北側で白鳥が飛来するエリア。2015年完成。
- たたらの杜エリア
- 「自然ふれあいエリア」から「いこいと花のエリア」のエリアで、散策路が整備されている。2015年完成。
それぞれが特徴あってひとつの公園のようです。
総敷地面積約98haの大公園
「自然ふれあいエリア」から「野鳥と湿原のエリア」方面を見たところ。途中に釣り場があって船はそこで借ります。 |
多々良沼公園は、古くからある多々良沼を中心に造園された公園です。
2011年に訪問したときは、邑楽町の部分(邑楽町多々良沼公園)と県立公園の「いこいと花のエリア」だけしか確認しませんでした。長い間放りっぱなしで申し訳ありません。
2019年、8年ぶりに訪問したところ、多々良沼の周囲すべてが整備されていて、海のない群馬県ではとても貴重な水辺の公園であることを確認しました。
一番は、多々良沼周囲を巡る一周約5.67kmの散策路ですね。すばらしいです。ヘトヘトになりましたが。
下に全体の案内図を置きました。オフィシャルからの借り物です。ありがとうございます。
「多々良沼公園」は全体では約98haもの広さがあります。
白鳥の飛来地あたりにある釣り場から「自然ふれあいエリア」方面を見ています。 |
98haのうち、館林市が89.38haで邑楽町が8.62haだそうです。行政側の区分けでは「群馬県立多々良沼公園」と「邑楽町多々良沼公園」を区別しているようです。
しかし、利用者にとっては関係ないことですので、当サイトではまとめて紹介することにします。二つの公園と分けて考えるのは無理があります。体裁はのちほど分けますが。
それともうひとつ、こちらは逆ですが「群馬県立館林美術館」のエリアは分けて考えることにします。更にまた逆張りですが「彫刻の小径」は館林美術館のエリアのように見受けられます。しかし、オフィシャルサイトに倣って隣接している部分は多々良沼公園と考えることにしました。
多々良沼は第二次大戦前は現在の2倍近い面積がありました。
沼の東北側の、現在の館林美術館のあるあたりまでが多々良沼でしたが、1946年、食糧増産のために干拓されたのだとか。
ですので、美術館あたりまで含めて全部を「多々良沼公園」と考えても良さそうな気がしますが、とりあえず、今回の更新では前述の方針で記載するようにします。
多々良沼公園 全体案内図
多々良沼公園 全体案内図 |
多々良沼公園 ウォーキングマップ |
邑楽町多々良沼公園
浮島弁財天と手前にある藤の古木。この藤の花が1本ですからすごいもんです。 |
広い公園の西側の多々良沼に突き出た部分あたりが邑楽町立の「多々良沼公園」です。こちらだけでも約8.62haあります。
推測に過ぎませんが、このエリアが多々良沼周辺で一番最初に整備されたのではないかと思います。
「邑楽町多々良沼公園」には、園路が縦横に走っている広大な芝生広場、130mもある藤棚、雑木林、浮島弁財天、浮島弁財天前にある藤の古木、などがあります。
桜の名所としても知られていて、春になると約120本の桜が沼に映えて美しい光景を作り出すそうです。
お城好きには、鶉(うずら)古城の城跡があることでも知られています。
案内板によると、鶉古城は多々良沼に突出した荒間崎と呼ばれた半島部に築かれた城で、江戸初期にはすでに この名称が使われていたそうです。
「邑楽町多々良沼公園」にある全長約130メートルの藤棚とお隣にある芝生広場。鶉古城は写真の右手にあります。 |
築城したのは北条高時の弟僧慧性と荒間五郎朝春。元弘3年(1333)5月高時が鎌倉に滅ぼされたとき逃げて来たのだとか。
その後、応永年間(1394〜1428)には多々良四郎忠致の居城となり、戦国時代は館林城主の重臣で下野国小曽根郷八形(足利市高松町)城主小曽根政義が小田原北条氏の来攻に備えて守将となりました。
しかし、天正18年(1590)館林城落城に伴い廃城となり、250年あまりにわたる歴史に幕を下ろしました。
浮島弁財天も「鶉古城」に関係していて、築城したとされる荒間五郎朝春が建立したそうです。
多々良沼全体に言えることですが、野鳥観察の名所ですね。多くの野鳥を観察するためにたくさんの人が、四季を問わず訪れています。
特に11月から3月頃には、多々良沼西岸のガバ沼あたりには毎年100羽ほどの白鳥が飛来することで知られています。定住するコブハクチョウも数羽確認されていているそうです。
ガバ沼エリアは「邑楽町多々良沼公園」の北側に隣接しています。
邑楽町多々良沼公園についてもっと詳しく知りたい方は、更に突っ込んだ記事とたくさんの画像を掲載しているページがあるのでそちらをご覧ください。→ 「邑楽町多々良沼公園」
藤棚と浮島弁財天についても、たくさんの画像を掲載したページがあります。ご興味のある方はそちらもご覧ください。「多々良沼公園 満開の藤の花」「多々良沼公園 浮島弁財天」
いこいと花のエリア
遊具のある広場。小型の複合遊具を中心にブランコやロープの遊具がならんでいます。こじんまり。 |
小さいお子さん連れは、小型の複合遊具を中心に遊具が並んだ「いこいと花のエリア」に直行でしょうか。「いこいと花のエリア」は2010年に完成しました。
「いこいと花のエリア」は先に紹介した「邑楽町多々良沼公園」に隣接する南側のエリアです。
地図を見ると沼に突き出た部分が見えますよね。そこが荒間崎でその南側が「いこいと花のエリア」です。ただ、このネーミングは「邑楽町多々良沼公園」を意識しているように思えてしまいます。
有名な桜並木も藤棚もどちらも「邑楽町多々良沼公園」にありますし、みたところその他の花畑もないように思えるので……。
ご覧の通り、遊具は小型の複合遊具と捻れたロープが蝶ネクタイみたいになっている遊具、ブランコ、小さい子向けのスプリング遊具が3基だけです。
ちょっと離れた場所に健康遊具が3基並んでいますが、こちらは小さいお子さんを想定していません。
広場の一角の小高い場所に四阿があるので、お父さんたちはそのあたりで一服して、眼前に広がる多々良沼を見て楽しむのが一番でしょうか。
運が良ければコブハクチョウに出会うこともできます。
釣りはできますが、地元に漁業組合に500円の料金を支払う必要があります。ヘラブナ・コイ・ナマズ・ウナギ・オオクチバス・ブルーギル・ライギョ等が釣れます。
遊具についてはたくさんの写真を掲載した別ページがあるのでそちらをご覧ください。「多々良沼公園 遊具広場」
群馬県立多々良沼公園 いこいと花のエリア 案内図 |
自然ふれあいエリア
「自然ふれあいエリア」の奥に広がる自然観察池とウッドチップが敷き詰められた園路。 |
「自然ふれあいエリア」は多々良沼の東側に位置する、多々良沼公園で最も広い公園エリアです。多々良沼公園では最も古く2008年に完成しました。
GoolgeMapで簡易的に計測したところ、周囲約1.3km面積は約9haありました。もちろん、どこを境界と考えるかによって変わってきますが。
「自然ふれあいエリア」で撮影した現地の案内看板を下に掲載しておきます。
多々良沼公園で個別に案内図を確認できたのは、先に紹介した「いこいと花のエリア」とこちら「自然ふれあいエリア」のみです。
駐車場があり、雑木林、トイレ、水飲み場、足洗い場、自然観察池、多目的広場、管理事務所、多目的展望広場、栽培池、里山ゾーンなど、自然の景観を活かした公園エリアが形成されているのが見て取れると思います。
縦横に張り巡らされた園路にはウッドチップが敷き詰められていました。これはポイント高いです。
全体が原っぱのようなイメージで、奥の「多目的展望広場」の端に野鳥を観察する「野鳥観察シェルター」がありました。
ぼくが訪問した日も多くのアマチュアカメラマンが並んでいましたが、彼らは「野鳥観察シェルター」から南側の「木橋」あたりから多々良沼に向けて構えていました。
何を狙っているのでしょうね。定番のカワセミかな。
「自然ふれあいエリア」はたくさんの写真を掲載した別ページがあります。「多々良沼公園 自然ふれあいエリア」
群馬県立多々良沼公園 自然ふれあいエリア 案内図 |
多々良沼周辺で見られる野鳥 冬鳥と漂鳥(日本内でも冬は温暖な平野にいて夏になると山地へ行く鳥) |
多々良沼周辺で見られる野鳥 夏鳥、留鳥、旅鳥(長距離渡り鳥で春と秋に日本で一休みする鳥) |
多々良沼で見られる魚 |
多々良沼周辺で見られる植物 |
多々良沼とその周辺で見られる昆虫 |
彫刻の小径エリア
「彫刻の小径」は、「自然ふれあいエリア」の道路を挟んで反対側に広がる細長いエリアです。 |
「彫刻の小径」は近くにある「群馬県立館林美術館」の野外展示場で美術館の一部のようですが、「多々良沼公園」に隣接しているので便宜的に紹介しておくことにします。
予備知識のないまま、エリアの名称すら知らずに「彫刻の小径」を歩いたので、彫刻が見えてきたときはちょっとびっくりしました。なんだなんだ??と歩き進めると目の前に次から次と彫刻が現れました。
スマホは持っていたのですが疲れ切っていて調べる余裕もなく、帰宅してググってやっと理解したという体たらくです。
専用の駐車場に停めてすぐに行き当たるのが「見晴台」です。登り口は階段とスロープと2ヶ所ある展望台で、周囲は芝生敷きの小高い丘になっています。
その下にトイレがあり、その裏手に広がる細長いエリアが「彫刻の小径」です。近くに「保安林」という立て看板もありました。
鬱蒼とした森は「多々良保安林」と呼ばれてもいるようです。植林された目的は空っ風を防ぐためだそうで、戦国時代に植えられたと言われています。
ぼくはこんな鬱蒼とした森が大好きなので、とても気持ち良く歩かせてもらいました。
そしたら、彫刻が現れたのです。いくつもいくつも。調べたところ、全部で38点の彫刻が展示されているそうです。美術好きな方は必見のエリアかもしれません。
野鳥と湿原のエリア
「野鳥と湿原のエリア」は多々良沼最北端のエリアです。白鳥はこのあたりに飛んでくるそうです。 |
「野鳥と湿原のエリア」は多々良沼最北端のエリアで、白鳥はこのあたりの飛んでくるそうです。多々良沼公園では最も新しく2015年に完成しました。
上に置いた地図を見ると「ガバ沼エリア」の文字が確認できると思います。ガバ沼は多々良沼の北側にある沼のことです。多々良沼は北側に湿地帯のようなエリアがあり、そのあたりで一旦途切れて更に北の水が貯まっているエリアを指すようです。
ガバ沼エリアは写真のような広場と休憩所があり、道路を一本挟んで北側には更に池があり釣り人がたくさんいらっしゃいました。
ガバ沼に飛来する白鳥は減少傾向にあるそうです。2005年には沼が真っ白になるほど601羽もの白鳥が飛来しましたが、2016年には1/10の以下に減ってしまっているという記事を読んだことがあります。
原因はいろいろありますが、一番は絶滅危惧種のオオタカの出現だそうです。オオタカを撮影するためにアマチュアカメラマンが大挙してやってきて白鳥のエサ場付近に陣取るため白鳥が警戒して来なくなってしまった。
更に、地元の方々が白鳥のために置いたエサ(給食で余った食パンが中心だそうです)をカラスが荒らすようになってしまい、減少に拍車をかけているとか。
たたらの杜エリア
「たたらの杜エリア」は「自然ふれあいエリア」から「いこいと花のエリア」の間の散策エリアです。 |
「たたらの杜エリア」は「自然ふれあいエリア」から「いこいと花のエリア」の間の散策エリアです。「自然ふれあいエリア」から整備された遊歩道を歩くと美しい原っぱが見えてきます。
原っぱには縦横に園路が張り巡らされ、すばらしい散策エリアを形成しています。
たたらの杜エリアは多々良沼公園では最も新しく、「野鳥と湿原のエリア」と同じく2015年に完成しました。
専用の駐車場が2ヶ所(成島東駐車場 19台、成島西駐車場 20台)あり、四阿が数ヶ所あります。
このあたりは最高に気持ちいい。新しいせいかもしれませんが、整備状態がとても良く、原っぱに踏み行っていくのをためらわれるほどです。
公園本来の佇まいとはこういうエリアのことを言うのかもしれません。
子供の遊び場等はいっさいありませんが。
以上、駆け足ですが、多々良沼公園を紹介してみます。
一日では廻りきれない大人の公園でしょう。健脚自慢の方は多々良沼一周のトレッキングをオススメします。
アクセス
- 電車
- 東武小泉線「成島駅」徒歩約13分 約1.0km(自然ふれあいエリア)
- 東武伊勢崎線「多々良駅」徒歩約19分 約1.5km(日向エリア)
- 東武小泉線「本中野駅」徒歩約23分 約1.8km(ガバ沼エリア)
- 東武伊勢崎線「多々良駅」徒歩約19分 約1.5km(日向エリア)
- バス
- 最寄りのバス停は、「県緑化センター南」、「障がい者総合支援センター前」、「鶉新田集会所前」、「成島町」、「松沼町」です。
- バス会社は、「矢島タクシー」「つつじ観光バス」
- クルマ
- 東北自動車道「館林IC」から約20分
- 東北自動車道「佐野藤岡IC」から20分
- 駐車場
- 10ヶ所、318台(無料)。体感的にはもっと可能。臨時もあります。
多々良沼公園 構想図
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