さきたま古墳公園(行田市) 将軍山古墳展示館
将軍山古墳展示館へ
この道をまっすぐ行くと将軍山古墳。もう左手に見えます。 |
「将軍山古墳展示館」はいわば「さきたま史跡の博物館」の分館として、1997年(平成9年)にオープンしました。
「将軍山古墳」のページでも書きましたが、将軍山古墳は平成の初めの頃まで一般の方の所有地で墳丘を削って民家が建てられていました。それを買い取り、1991年(平成3年)から復原事業を始め6年の歳月をかけてほぼ古墳作成当時の将軍山古墳を復原しました。
その際、元々後円部にあった横穴式石室の実物大のレプリカを作成し、一般の方が石室の内部を見学できるように「将軍山古墳展示室」が設置されました。
駐車場から丸墓山方面へ進み四つ角を右に曲がって更に進むと下の写真のような場所に当たります。この写真の左手奥に見えるのが「将軍山古墳」です。ちなみに右側に見えるひときわ大きな古墳は埼玉で最も大きな前方後円墳とされる「二子山古墳」です。
将軍山古墳展示館入口 |
更に進んで左に折れると「将軍山古墳展示館」の入り口が見えてきます。
入場料は少しかかりますが、「さきたま史跡の博物館」と共通の券で大人でも200円ですので、是非見学されることをオススメします。
入り口の左手に常時係の方がいらっしゃいますので、対面でチケットをお買い求めください。非人間的な自動販売機じゃありません。
将軍山古墳 案内図 利用要綱
将軍山古墳案内図 |
将軍山古墳展示館とさきたま史跡の博物館は共通券です。 |
- 観覧料 個人
- 一般 200円
- 高校生・学生 100円 中学生以下 無料
- 団体(20名以上)
- 一般 120円
- 高校生・学生 60円 中学生以下 60円
- 年間観覧料
- 一般 1200円
- 高校生・学生 600円
- 開館時間
- 9:00〜16:30(入館は16:00まで)
- 9:00〜17:00(入館は16:00まで)
- 休館日
- 毎週月曜日(国民の祝日、振替休日、県民の日
- ゴールデンウィーク中(4月29日〜5月5日)は開館する
- 12月29日〜1月3日
- ゴールデンウィーク中(4月29日〜5月5日)は開館する
1階内部と主な展示品
1階の正面にあって一際目を惹くのは墳丘の崖の土の層をはぎ取って作ったパネルです。
ガイドブックによると、良く見ると、黒っぽい土と黄色い粘土層を交互に固める「版築(はんちく)」という手法で作られていることがわかるのだそうです。「版築」は日本をはじめ中国やブータンでも見られる技法で、とても丈夫なんだそうです。中国では、堤防・城壁・土塁・家屋・寺院・墳墓・道路など、あらゆる構造物に用いられたそうです。中国から伝来したのでしょうね。
1階の壁面パネルの横には円筒型埴輪が数点あり、更に奥には武具を付けて馬に乗った武者の実物大?の模型が展示されています。装飾品の多さに驚かされませす。
将軍山古墳からはたくさんの副葬品が出土してますが、最も多いのは馬具なんだそうです。馬用のカブトである馬冑(ばちゅう)や、蛇行状鉄器(だこうじょうてっき 旗さし金具)、鈴、鐙、鞍金具、雲珠(馬の尻の背あたりに置いた飾り)などの馬具。これらも非常に珍しいものだそうです。
馬具のほかでは、銅鋺(どうわん)、環頭大刀(かんとうのたち)、ガラスの耳環(イヤリングですね)なども出土しています。もちろん、円筒埴輪や、盾を持つ男子の埴輪、弓を入れる道具の埴輪なども見つかりました。
陶質土器(b器)である須恵器も見つかっています。儀式に使われたのだろうと推測されています。
下にあるのが房州石の本物です。 |
「房州石」とは、千葉県房総半島産の砂質凝灰岩の石材のことで、もちろん房総半島でしか産出されません。
この石が横穴式石室の壁にたくさん使用されていたのだそうです。下の説明版に書いてある通り、房州から120kmも離れた埼玉の地にこの石があることが何を意味するのか。説明板に書いてあることはもちろん、ほかにもいろいろ妄想が膨らみますね。
ずっと以前のさきたま古墳群。将軍山古墳にある家が確認できますか? |
騎馬武者 |
2階内部と主な展示品(横穴式石室内部)
二階へ行きます。 |
2階に上がるとご覧のようにベンチが並んで少し開けた場所があり。正面がガラス張りで復原された横穴式石室を見ることができます。
石室をのぞき込むと横たわっている人間が見えます。もちろん模型です。その周囲に副葬品と思われる品々。ちょっと気味が悪いかもしれませんが、かび臭い空気を感じながらベンチにぼんやり座って太古の時代に思いを馳せてみるのもよいかもしれません。
毎回思うのですが、もうちょっと空調を効かせてくれると嬉しいのですが(笑)。