さきたま古墳公園(行田市) 将軍山古墳
ちょっと前まで民家が建っていた
このページは復原された「将軍山古墳」に関するページで「将軍山古墳展示館」の中身等は別のページを設けているのでそちらをご覧くさだい。→ 「将軍山古墳展示館」
将軍山古墳は稲荷山古墳の東側にある全長90mの前方後円墳です。造られたのは6世紀後半考えられ「稲荷山古墳」からは約100年遅れていて「さきたま古墳群」では一番新しい部類の古墳です。埋葬者も誰か判明していませんが、後円部だけでなく前方部からも埋葬施設らしきものが発見されていたそうです。そちらは女性だとか。
将軍山古墳は昭和の終わり頃まで、古墳の土を削って平らにした土地に民家が建っていました。複数の作業場まで建っていたようです。
ですので、後円部の直径が39mで前方部の幅が68mとまではわかっていますが、高さだけは判明していません。信頼に足る資料が無いため、復原された将軍山古墳の高さだけは実際と違う可能性があります。同じように展示館内に設置された横穴式石室も平面的な大きさはわかるのですが高さは推測しかできないのだそうです。
下に掲載した写真は「将軍山古墳」が民間の方のご自宅だったころの写真で、「将軍山古墳展示館」にある写真です。将軍山古墳の部分だけ拡大して掲載しました。撮影時期はわかりませんが、たぶん昭和の終わり頃だと思います。
びっくりしますよね。
時代なのでしょうがありませんが、それにしても無残な姿です。 |
手持ちの「将軍山古墳」の写真に、復原作業後の上の写真に近い画角のなんてあるわけないのでGoolgeMapから失礼させてもらったのが下の画像です。
どちらの画像にもある左側の特徴的な交差点を手がかりに見比べてみてください。
復原された見事な古墳です。 平部の突端付近や後円部の頂上付近に円形埴輪が並べられているのは確認できますね。 点点点と続いている小さな黒い物体がそれです。 |
2017年現在には「将軍山古墳展示館」が存在しているあたりの土がほとんど削り取られて、平らに近い状態になってしまっているのがなんとなくわかると思います。くびれの部分の土も少なく見えますね。そして、前方部には民家が建っていました。そしてその横手には作業場らしき建物まで確認できますね。
横穴式石室があった後円部の土は削り取られて低湿地の埋め立てに使われてしまったようです。
こんな状態だった「将軍山古墳」の土地を買い取り、1991年(平成3年)から整備を初めて6年がかりで復原作業が完了しました。
ガイドブックによると、1894年(明治27年)に地元の人々が後円部に露出していた石材を抜き取ろうとした際に、馬具(ばぐ)や環頭太刀(かんとうたち)など副葬物が大量に出土したのだそうです。それらは現在、東京国立博物館、東京大学、さきたま史跡の博物館に分散して収蔵されているそうです。
復原作業はひとまず終了しているようですが、前方部や方形二重堀は生活道路に遮られて尻切れトンボになっていますね。
復原された将軍山古墳
6年がかりで復原した「将軍山古墳」は後円部の高さを8.4m、前方部の高さを8.2mと設定しました。
当時の古墳は突端の部分に埴輪が並べられていたようで、復元された将軍山古墳の墳丘は下の写真のように河岸段丘のような二段に作られ、それぞれ 平たん部の突端に埴輪が並べられました。
古墳の周りに並べた円筒埴輪は古墳を悪霊から守るため、造出しに並べた人物などの形象埴輪は儀式のためだそうだそうです。稲荷山古墳では埴輪の大きさと置かれた場所の面積からして、6000〜10000個くらい並べられていたと考えられます。将軍山古墳もそれに倣っておかれたのかもしれません。将軍山古墳には168個の埴輪が並べらているそうです。
2009年に撮影した将軍山古墳です。 薄っすらと円筒埴輪が確認できると思います。レプリカですが。 |
芝生広場脇の園路を進むとこんな看板が見えてきます。 |
2017年6月に撮影した将軍山古墳の全貌。 雑草の背が伸びていて円筒古墳が確認できませんね。 |
丸墓山古墳から見た将軍山古墳。 |
将軍山古墳 周囲
道路を真っ直ぐ進むと「将軍山展示館」です。 |
ここを進むと将軍山古墳展示館 |
前方部ですね。 |
崩落した後円部の墳丘部分をに屋根を建設し、実物に近いように古墳の内部に複製の石室や遺物の出土状況を見学できる施設を建設して、1997年(平成9年)に完成したのが「将軍山古墳展示館」です。別のページを設けているのでそちらをご覧くさだい。→ 「将軍山古墳展示館」
何度か見学に訪れていますが、空調がイマイチで少し暑いです(笑)。公園の端に位置しますが、「さきたま古墳公園」を訪問された際は是非足を訪問をオススメします。
将軍山古墳 案内図
将軍山古墳案内図 |
将軍山古墳展示館とさきたま史跡の博物館は共通券です。 |
- 観覧料 個人
- 一般 200円
- 高校生・学生 100円 中学生以下 無料
- 団体(20名以上)
- 一般 120円
- 高校生・学生 60円 中学生以下 60円
- 年間観覧料
- 一般 1200円
- 高校生・学生 600円
- 開館時間
- 9:00〜16:30(入館は16:00まで)
- 9:00〜17:00(入館は16:00まで)
- 休館日
- 毎週月曜日(国民の祝日、振替休日、県民の日
- ゴールデンウィーク中(4月29日〜5月5日)は開館する
- 12月29日〜1月3日
- ゴールデンウィーク中(4月29日〜5月5日)は開館する
将軍山展示館脇の道路を更に進んだ古墳の裏手です。 |
5月には一面のポピー
将軍山展示館脇の道路を更に進んだ古墳の裏手です。 |